連合や提携を表す“アライアンス”ですが、航空業界におけるアライアンスは、概ね3つあります。
1つめはANAやユナイテッド航空、ルフトハンザ ドイツ航空、タイ国際航空など28社が属しているスターアライアンス(Star Alliance)。
2つめはJALやアメリカン航空、ブリティッシュエアウェイズ、キャセイパシフィック航空、カンタス航空など15社が属しているワンワールド(oneworld)。
3つめはデルタ航空、エールフランス、大韓航空など20社が属しているスカイチーム(SkyTeam)です。
航空会社が運航面やサービス面などさまざまな分野で、世界的規模で協力関係を結んでいる連合体といったイメージです。
いずれも2000年までにアライアンスが組まれ、その後提携が拡大していき、現在はほとんどの主要航空会社は、いずれかのアライアンスに属しているといわれています。
航空会社としてのアライアンスに属するメリットは、運航面やサービス面での相互提携にあります。
自社だけでは路線展開をすることが難しい都市へも、共同運航(コードシェア)などの相互提携を結ぶことにより、世界中に路線を拡大し、幅広くネットワーク構築をすることができます。
コードシェアとは、2つ(またはそれ以上)の航空会社がそれぞれの便名を付けて、共同で路線運航をする形態をさします。
共同といっても、主たる運航会社がひとつあり、他社がそれに自分の便名をつけている形です。
利用者が享受するメリットはいくつかありますが、代表的なものとしては、空港でのチェックイン、乗り継ぎ、ラウンジ利用、マイレージの提携サービスがあります。
アライアンスメンバーのチェックインカウンターを共同で利用できたり、アライアンスメンバーシップのステータス(ゴールド、シルバーなど)により専用カウンターを利用できたり、自動チェックイン機を利用できたりします。
また、アライアンスメンバー便で乗り継ぎをして目的地へ向かう場合、目的地までのスルーチェックインが可能(一部除外あり)で、受託手荷物も目的地まで預かってもらえますし、搭乗券も出発地で目的地までのすべての区間を受領することができます。
出国審査後も、アライアンスメンバーのラウンジを利用できたり、マイレージステータスにより、上級会員専用ラウンジなども利用できます。
これらよりも利用者メリットとして大きいのは、やはりマイレージプログラムの提携です。
アライアンスメンバー内で、マイルの相互積算、特典の相互利用ができることが最も大きいといえますし、これがアライアンスとしての囲い込み戦略となっているといえます。
各アライアンスでは、その豊富で大きなネットワークを活用した、世界一周特別割引運賃(Round The World Fare = RTWなどと呼ばれる)を販売しています。
世界一周の他にも、地域内の周遊運賃や、特別パス運賃なども販売されています。
価格、利用条件はアライアンスにより異なりますが、エコノミー、ビジネス、ファーストクラスそれぞれの運賃設定があり、上級クラス利用でも比較的リーズナブルな料金となっています。
ネットワーク拡大やサービス面に加え、アライアンスには整備面での協力や、燃料・部品の共同調達によるコスト削減など、航空会社にとっては、様々なベネフィットがあり、各社の経営戦略の大きな柱となっています。
しかしながら、原則として各社は独立した経営を行っていますので、当然競合する路線ではライバル同士の関係にあるといえます。
アライアンスには、希望すれば加盟できるわけではなく、安全運航基準や、サービスが一定の水準に達していないと加わることはできません。
加盟後も定期的なチェックをクリアしなければ残ることもできません。
加盟するメリットを享受するためには、さまざまなレベルを向上させていく必要もあるわけです。
格安航空会社(LCC)の規模拡大や、オープンスカイなどによる航空業界の大きな変革期のただなかで、各社は深い提携関係を築き、経営コストを削減することで、勝ち残りを目指そうと動いているといえます。
更新:2017年5月31日
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